秀壁 |
9月21日(火) |
夜、秀岳荘の外壁でちょっと遊ぶ。日本に帰ってきてからまったくクライミングをしていなかったので、けっこう久しぶり。まだ手首が痛い。いや、痛いというよりおかしい。関節が緩くなっていて、安定していない。引っ掛けてぶら下がるような持ち方ができない。2週間以上間を空けているのにぜんぜんよくなってない。怪我してからもう2ヶ月。最初の1ヶ月間クライミングをストップするべきだった。
体が重くなってるし、力がない。ぜんぜん登れない。ここのグレーディングはあてにならないと思うけど、5級が限界。
Phra Nang 9 |
9月5日(日) |
パッキングしてチェックアウトしてからビーチへ。「Tidal Wave」(7b+)をRPして気持ちよくかえるぞ、と気合が入る。自信もあった。まわりにも自信ありげな発言をしてしまった。1回目、アップとムーブの再研究をかねてトライする。が、手首の調子が悪い。昨日はまったく手首のことなど気にならなかったのに、今日は例のすっぽ抜け感がある。1本目だったし、疲れもたまっているのだろう、すべてのムーブがきつい。なんかもうだめな気がした。2本目、一応狙いのトライ。体があったまったのでさっきよりましではあったが、やっぱりダメ。あきらめ。
Thaiwand Wallに行くアローン、サリー、アレック、ニーナと一緒にライレイ・ウエストまで行き、そこからアオナン行きのボートに乗る。3人で100B。アオナンからソンテウ(30B)でクラビーのバスターミナルへ。さようならプラナンビーチ。
Phra Nang 8 |
9月4日(土) |
今日は早めに起きて"very populer multi-pitch"、「Humanality」(6b+)へ。パートナーはビーナとコリヤ。天気は悪そう。「Humanality」は4ピッチだが、1ピッチ目までのアプローチが2ピッチある。8時30分、アプローチの1ピッチ目「Tarzan」(5)スタート。名前のとおり、木登り。僕がリードでコリヤ、ビーナと続き、アプローチ2ピッチ目のトラバース(6a)にそのままビーナが行く。ここで一部難しいところがあって、ビーナ戻ってくる。僕が行って突破。確かにちょっと難しい。続いてトライしたコリヤは、かなりトライしたが結局突破できず、コリヤは降ろしてビーナと二人で先を続けることにする。ビーナもデイパックとロープが加わったため同じところではまる。今回懸垂下降のためロープを二つ持ってきたのだが、ロープ1本背負うとかなり違うらしい。デイパックとロープを先に引っ張り上げて、ビーナなんとかクリア。
さて、ここからやっと1ピッチ目。ここまでで2時間はかかってしまった。デイパックとセカンドロープが予想以上に邪魔である。デイパックの荷物を減らしてロープをつめる。1ピッチ目(6a+)はロープを背負ってリード。ちょと緊張した。フォローのビレイはロープが異様にキンクしてスムーズにいかない。なんで?フォローのビーナがそのまま2ピッチ目(6b)をリード。やっぱりロープがキンクしてビレイがうまくいかない。ビーナ、テンションは入ったが、無事クリア。フォローで続くがデイパックのせいか難しかった。たぶんロープに助けられてた。リードだったら落ちてたでしょう。
2ピッチ目上のビレイポイントは広いレッジとなっていて、予定通りロープはここにデポ。ビーナは日本にいたときもクライミングをしていたみたいで、"ビレイ解除"とか"マジでヤバイ"とか変な日本語だけ知ってた。3ピッチ目(6b+)は「Humanality」のハイライト、"super clux pitch"である。背後の鍾乳石にブリッジして乗り移るというトリッキーなムーブがあって、ちょっと怖くて面白かったが、さほど難しくはなかった。
最後4ピッチ目(6b)もリード。少し危なかったがなんとかクリア。上からの眺めは素晴しく、ぜひ写真を撮りたかったのだが、運悪くバッテリー切れ。Lonley Planetと同じ写真が撮れそうだったのに。まだ上にも岩壁は続いているが、一般的に登られているのはここまで。一番上まで登りきったらなかなかすごいだろう。後50mくらい、やった人いるのかな?
4ピッチ目、3ピッチ目とラッペルし、そこから60mロープを二本つないで一気に下まで。バリアブルコントローラーは本当にイマイチだ。ぜんぜんスムーズに降りれない。さすがにすご熱くなって、結構不安だった。最後は下のお店の屋根に着地。お疲れ様でした。結局降りてきたのは3時位だったのかな?かなり時間かかりました。登ってる最中かなり雨が降ったりもしていたが、上はハングした岩なのでまったく濡れることはなかった。
まだエネルギーがあまっていたのでTon Sai Roofのどっかぶりスーパークラシック、「Tidal Wave」(7b+)にトライ。思ったより悪くない。2回目で2テン。なんか登れそうだ。3回目はちょっと進歩したが失敗。でも登れそうな手ごたえを感じた。明日が最終日、こいつをRPして気持ちよく帰ろう。
Phra Nang 7 |
9月3日(金) |
今日はコリヤと、同じくドイツ人のマリアと行動。マリアは19歳の美女、クライミングは初心者。彼氏と一緒に来ているがその彼氏は足を怪我をして休養中。マリアのため、Dum's Kitchenの6aをやる。続いてTyrolean Wallに行くと、マークとジェニファーがおり、しばらくここで遊ぶ。6c+をオンサイトに成功。Tyrolean Wallはほぼ垂直で、久しぶりの細かいクライミングだったが、時間をかけて勝負できるのでやりやすい。降りてきたところで今日出発のクーパーを見送りに一度Andamanのほうへ戻ったが、すでに出発した後だった。
またTyrolean Wall戻ってくると、コリヤもマークも6c+をfinishできてないので、回収をする羽目に。となりの6b+が面白そうだったのに。回収を終えて、もっとやさしいルートを求め、ライレイ・イーストのOne-Two-Three Wallへ行く。ここには5や6のルートがあり、よく講習に使われているようだ。日本人らしき二人組みがいた。マークにマルチピッチのビレイ方法を教えてもらい、確認のため実際やってみることにする。2ボルトの短い6bを選んで、オンサイトしたが、このルートがとっても面白かった。ガバではないがポジティブなサイドホールドがいっぱいあって、傾斜もちょうどよくて、かなり面白かった。地面から2mくらい登ったバンドから実質的なスタートとなるので、この出だしの余計な部分がなければとってもよいボルダー課題になりそうだ。帰りにはマークに誘われ4人でPhra Nang Beachへ行って泳ぐ。気持ちよすぎ。トンサイでばっかり登っていたけど、こっちのほうにもまだまだたくさん壁がある。
夜、ジェニファーに60mのロープを借りる。昨日今日コリヤを見ててちょっとクライミング力に不安があった(知識ではなくて身体能力)のだが、ジェニファーにもそれを指摘される。コリアはマルチの経験があるようだからそれはプラスだけど、3人だと遅くなりそう。明日午後、マルチピッチの後、プラナンを離れようかとも思っていたけど、無理そうなのでやめる。
Phra Nang 6 |
9月2日(木) |
いつものメンバーに昨日トンサイやってきたドイツ人コリヤを加え、Fire Wallへ。 コリヤはオーストラリアでアローンと会っている、クライマーの世の中は狭い。オーストラリアでビールを飲みすぎたというコリヤは、なかなかいいお腹をしていて、クライミングはそんな強くはなく、すごい汗をかきながら登っている。アローンはこないだ僕がオンサイトに失敗した6c+にトライしていたが、依然体調がかなり悪いままらしく、とてもきつそうだった。
ところでロープを張ってもらいたいとき英語では"Take"というが、これがロープを緩めてもらいたいときの"Slack"、上について自分の安全を宣言する"Safe"と非常にまぎらわしい。3つとも同じに聞こえるのである。僕だけでなくて、みんなそうらしい。"Take"と"Safe"を間違えたら実際大変だ。明確に区別するため"Take"ではなく"Tension"、"Safe"ではなく"Secure"を使ったりするようだ。
Andamanへ一度戻ってくつろぐ。チェスなどしたあと、昨日の7a+やりに、アローンとTon Sai Roofへ。ヌンチャクをかけたあとの2回目でRP。アローンは下部ボルダーパートに苦戦。続いてアレックと昨日やろうといっていてやらなかった、「The Lion King」(6c+)に行く。先にトライしてもらい、ヌンチャクありでベータ成功。
アローンが体中に赤い蛇のような縞ができていることに気づく。それはリキッドタイプの虫除けを塗ったところに沿ってできており、どうやらここ一ヶ月の彼の原因不明の体調不良は虫除けに対するアレルギーのせいだったらしい(虫除けの使用をストップし、翌々日には完全回復)。
ビーナと話し、あさってTon Sai Wallのマルチピッチ「Humanality」(6b+)をやりに行くことにする。僕もビーナもマルチの経験がほとんどないので、フランス人?夫婦マークとジェニファーにマルチのやり方など聞く。後からコリヤも加わって、3人で行くことに。コリヤはマルチの経験があるようだ。
今日は「スパイダーマン2」が上映されていた。
Phra Nang 5 |
9月1日(水) |
ゆっくり起き、アレックとビーチへ降りる。Dum's Kitchenの三ツ星ルート、「The Lion King」(6c+)をやろうという話だったが、TideがPeak状態のためDum's Kitchenまで行けない。なのでTon Sai Wallの6cにトライする。6c、このあたりのグレードがオンサイトには微妙なラインらしく、またしても上部まで行ったが失敗。2回目でRP。
どこかで8aを2撃してきたというクーパーと合流。三日前にさわってみて気になっていたTon Sai Roofの「Babes in Thailand」(7a)にトライ。クーパーにヌンチャクをかけてもらい(彼はもちろんオンサイト)、僕もRP、やっと7aだ。つづいてそのとなりの7a+、またしてもまたクーパーを先に行かせる。彼は下部で滑ってオンサイトは逃したが、リスタートしてらくらくRP。さて、ヌンチャクがかかってどこが難しいかもわかったところで、的確な指示を味方につけ、ベータ成功。
続いてTon Sai Roof左端の7a+。断然こっちのほうが難しい。短いが下部にボルダーなパートがあり、上部はスローピーで暑さで手(とうより体全体)がヌメるため厳しい。マスターでトライしたクーパーもオンサイト失敗。今日が最後の予定のクーパーは「Tidal Wave」(7b+)を締めくくりにRP(再登)。
Visaランへ行っていたアローンとサリーが帰ってくる。クーパーは明日ここを離れタオ島へボルダリングへ行くはずだったが、サリーの強い説得によりもう一日延期することに。夜、日本で英語教師をしていたことがあるというインド系アメリカ人?ビーナと話し、マルチピッチへ行こうという話が出る。